この記事では、Windows 10が搭載されているDELLのパソコン(PC)を初期化して、工場出荷時の状態に戻す方法(手順)について紹介しています。
初期化方法が分かると、不要なファイルが多くなってパソコンの動作が重くなったときや、パソコンを売却したいときなどに便利です。
この記事ではDellのノートパソコンである、Inspiron 14 7000(7472)を利用して説明しています。
紹介しているDellのパソコンの初期化方法について
この記事で紹介している方法では、DELLのパソコンに搭載されているリカバリーモードである「SupportAssist OS Recovery」の「システムの修復」機能を利用して、パソコンを初期化して工場出荷時の状態に戻します。
そのため、リカバリーディスク(リカバリーメディア)は必要ありません。
Dellパソコン搭載されているリカバリーモード(SupportAssist OS Recovery)はOSを起動しなくても開くことができるため、システムファイルの破損やウイルス感染などが原因でWindowsが起動しない状態になってしまっても、修復することができます。
また、リカバリーモードを利用するため、初期化を実行するとユーザーデータやインストールしたソフトウェアだけでなく、これまでにインストールしたWindows Updateも削除されます。
その一方で、プリインストールされているDellのソフトウェアやデバイスドライバなどは、初期化が完了しても、インストールされている状態なっています。
SupportAssist OS Recoveryでのリカバリーに伴い、OSが再インストールされるため、Windowsのバージョンも工場出荷時のものに戻ります。(「Inspiron 14 7000(7472)」の場合はバージョン1709)
これから紹介する方法でパソコンを初期化した場合、すべてのユーザーデータと過去にインストールしたアップデートが削除され、元に戻すことができなくなります。初期化を実行する前に、必要なデータをバックアップされているかどうか確認することをおすすめします。
DELLのパソコンを初期化する方法
Dellのパソコンを初期化するための手順です。
大きく分けて、「電源を切る」、「リカバリーモードを起動する」、「初期化を実行する」の3つです。
パソコンをシャットダウンさせる
はじめに、スタートメニューを開いて電源マーク、シャットダウンの順にクリックしてパソコンをシャットダウンさせます。
Windowsが起動しない状態になっていたり、すでにシャットダウンされている場合はこの手順を飛ばして、つぎの手順「ブートメニューを起動させる」に移動します。

ブートメニューを起動させる
つぎに、パソコンの起動オプションを変更するときなどに利用するブートメニューを起動させます。
パソコンがシャットダウンされているか確認した後、電源ボタンを押します。
DELLのロゴが表示されたら、すぐに「F12キー」を連即して押します。
1回のみF12キーを押してもブートメニューを起動させることはできますが、タイミングが合わない場合はWindowsが起動してしまうので、F12キーを複数回連続して押すのがおすすめです。(ロゴが表示される時間が短いので、タイミングを合わせることが難しいです。)
少し待つと、このようなブートメニューが表示されます。
ブートメニューでは、マウスやタッチパッドでの操作を行うことができないので、キーボードを利用して操作します。

リカバリーモード「SupportAssist OS Recovery」を起動させる
ブートメニューで矢印キーを押して「OTHER OPTIONS」のところにある「SupportAssist OS Recovery」という項目を選択し、エンターキーを押します。

このようにDellのロゴと読み込み中の画面が表示され、しばらく待つとリカバリーモード「SupportAssist OS Recovery」が起動します。

リカバリーモード「SupportAssist OS Recovery」は日本語に完全対応しています。
さらに、ブートメニューとは異なりマウスやタッチパットで操作することができます。
初期化を実行する
いよいよ初期化を実行していきます。
リカバリーモード「SupportAssist OS Recovery」が起動したら、右側の「システムの復元」をクリックします。

システムの復元についての説明画面
システムの復元(工場出荷時のイメージの復元)についての詳しい説明が表示されるので、「今すぐ復元」ボタンをクリックします。

「工場出荷時のイメージの復元」画面が表示されたら、「次へ」ボタンをクリックします。

バックアップの確認画面
ファイルバックアップの確認画面が表示されます。
ここでバックアップを作成したい場合は「バックアップ」ボタンを、ほかの方法でバックアップをしているなどの理由で、ファイルをバックアップする必要がない場合は「スキップ」ボタンをクリックします。
今回は、リカバリーモードでのバックアップをスキップしています。

前の手順で「スキップ」ボタンをクリックした場合は、バックアップをしていない場合はすべてのデータが失われる旨が書かれている確認画面が表示されるので、「はい」ボタンをクリックします。

初期化の確認画面
つぎに、プルダウンメニューから理由を選択して「工場出荷時の復元を実行すると、すべてのフィルが削除され、ハードドライブが再フォーマットされることを理解しています。」と書かれているチェックボックスをクリックしてチェックを入れ、「次へ」ボタンをクリックします。
イメージの復元を実行した理由の選択は、あまり重要ではないと思われます。
こちらが最後の確認画面です。「次へ」ボタンをクリックすると、すぐに初期化が開始されます。初期化を実行すると、ユーザーデータが削除され、元に戻すことができなくなります。また、初期化を実行する際にはパソコンが電源に接続されている必要があります。

初期化が実行される
初期化が開始されました。初期化が完了するまで少し時間がかかります。
ここでは「数分かかる場合があります」と書かれていますが、実際は10分以上かかりました。

パソコンを再起動する
しばらく待つと初期化が完了し、このような画面が表示されます。
「完了」ボタンをクリックしてパソコンを再起動します。

しばらく待つとWindowsが起動し、初期セットアップの画面が表示されます。

これで、すべての手順は完了です。
ほかの初期化方法について
Dellのパソコンに「SupportAssist OS Recovery」が搭載されていなかったり、復元に失敗したりした場合は、Windows 10の機能を利用した初期化方法や、リカバリーディスクを作成して復元する方法を試すと良いと思います。
Windows 10に標準搭載されている機能で初期化を行うには、設定から「更新とセキュリティー」を開き、左側のメニューから「回復」という項目を選択します。
「このPCを初期状態に戻す」と書かれている部分の下にある「開始する」ボタンをクリックすると、ウィザート形式で初期化を行うことができるようになっています。

Windows 10標準の初期化(回復)機能では、個人用ファイル(ダウンロードしたファイルやドキュメントなどのユーザーデータ)を保持するかどうか選択することができるようになっています。
